俺の後悔を聞いてくれ

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こんな話はお前らにしかできない

現実で話したら滑稽な話にしか聞こえないだろうからな

 

まず自己紹介だ

俺はしがない底辺を生きるおっさんだ

 

俺にはある特殊な能力があるんだ。

得意とか優秀とかいう言葉はあてはまらない少し異常な能力だ

 

サヴァン症候群 

その症状は認識されているものは世界に数十例らしいが
俺のはそれに近いものだと解釈している

 

すなわち
他の能力が劣ってる反面ある能力が特化している
 
それが俺だと思われ

 

映像記憶能力

俺はそれを自分の能力だと認識している
実際にいるサヴァン症候群の人のように一度みたら細部まで書きおこせるなんて精度の高いものじゃない
そしてあることにしか使えないなんて汎用性の低いものでもない

本の内容を映像として頭に保存できてそれをいつでも簡単に引き出せる 
どうもそれが俺の能力みたいだ

 

現在に至っては便利だが決してチートではない
そんな能力だ

だっていくら漢字が書けてもそれで仕事の評価があがるわけじゃないだろ?  

逆に言えばろくに漢字が書けなくてもスマホみながら書いたなら大抵通る世の中なわけでさ

 

要するに本質的には絶対にバレないカンニングが出来る人間
 
その程度の人間だったってわけだ

 

そんな俺が無双できる環境がある

わかるよな?
学校だ

 

俺にとっては学業とは100点を取らないようにすること
そんな感じだった。

暗記科目は2割くらいわざと外したり空欄にして80点くらいにしとく
数学は頑張っても70点くらいしか取れないから調度いい

それが俺の中学時代のテストの受け方だった

 

そして今俺はよくいるチンピラと同じ後悔を抱いている。

「俺は勉強しなかっただけでやれば簡単にトップクラスの成績とれた」

大半の人間が抱えている妄想
俺もこれに苦しんでいる

 

ここからが滑稽な話だからお前らにしか話せない

俺がよくいるチンピラと違うのは

今おっさんである俺が学校に殴りこんでテストを受けれたらおそらくかなりいい成績を取れるということ

 

意味なんかわからなくても
テスト範囲ってやつがわかってればそこを映像として記憶すればよい

そしてテストのときは頭のその映像から情報を引き出しながら書けばよい

 

俺の後悔

俺はこの能力を生かしてなるべく良い肩書きを手にしなければならなかった    

これなんだ

 

地頭がいいわけじゃないから
結局頭がキレるやつには適わないんだよ
かといって仕事に支障がでるほど劣った要素があるわけでもないのだがね

 

そんなある日   

俺はある人物に付きまとわれた

 

その男は職場では人気者で仕事もできる
噂では趣味でやってる何かが全国クラスの結果を出していて

そいつの名前を検索するとその成績が出るくらいの有名人だった

 

それがしがないおっさんの俺に興味を持った

暇さえあれば俺に付きまとい質問攻めをするようになった

 

そんな日々が1ヶ月ほど続いたとき

その男は言ったんだ

あなた、瞬間記憶能力持ってますね?
とな

 

どうやら当たり障りのない会話のなかで
その手の能力者しか答えられない質問を混ぜていたらしい

 

てかこの話つまらん?
ギャラリーいなくなったは

 

続けろ

 

いろいろあって俺は検査を受けることになったんだ

後から知ったことだが俺は日常生活でたまに異常性を発揮していて
陰ではあいつ何者だ?みたいになっていたらしい

 

そんで交通費全部出してもらって東京の専門機関ってとこにいくはめになったんだ

なんでも特殊能力者の研究機関だそうな

 

俺が辿々ついたそこはわりと普通のお役所だった

こんなSFみたいな話なのに普通のお役所なんなその専門機関

もしかしたらこのスレ見てるやつも関わったことあるやついるかな?

 

んで○○の紹介で来たって言って待合室みたいなとこで待たされた

まんまお役所

普通と違うのは長イスの前に長い机があってお菓子とお茶がだされた

 

回りを見渡すと

普通の高校生みたいなやつがスマホ弄ってたり。
子供が母親に連れられて絵本読んでたり

とにかく静かで空気は市役所そのものだった

 

しばらくしたら俺の名前が呼ばれた

そして面接を受けることになった

 

ある一室に通された俺はギョッとしたね

3人のオッサンが応接室に並んで座っていた
そしてどうやら俺はその向かいに座らないといけないようだった

 

そして俺は3人のオッサン各々に尋問された

尋問、そうこの表現が適切だったね

 

そしてそのあとはペーパーテスト

学校の試験みたいなのじゃなく知能テストみたいなやつだった

 

んでこっから胡散臭すぎてお前ら信じないだろうが一応語るな

ペーパーテストが終わったら
オッサンの一人がカードを出してきたんだ

 

そしてこのカードの裏側の模様を当ててくださいと言いだした

俺は軽く混乱して

わかりませんと答えた
本当におっさんのその行為の意味すらわからなかったからな

 

次におっさんはカードを5枚用意して絵柄を見せてきた

☆ 🌙 ○ 〰 ♪
この5枚だった
波は3本の〰

 

うむうむ

 

おっさんは一度裏返すとシャッフルした

そんで指さしたカードは何か当ててくれと言いだした

もちろん俺は当てる

 

なんでって
裏表紙の模様が全部微妙にちがうんだからさ
そんなのテストでもなんでもないたんなる五つの模様と五つの記号の組み合わせを記憶するだけのテストだったんだ

 

次に俺は目隠しをされた
すぐに目隠しは取られた

するとテーブルにまたおっさんはカードを5枚並べてる
今度は5枚すべての記号を当ててくれと言いだした

 

見てるぞ

 

俺は次々と4つ当てた

当てる度におっさんは答え合わせをするかのように裏返していく

でも最後の一枚の裏側の模様がわからなくて俺は悩んだ

 

1回目のテストと同じだ

見知らぬカードの裏を読めって
テストでもなんでもないだろ?

なにかのトンチ効かせなきゃならないのかと思って俺は返答に悩んだ

 

多分10秒ほど沈黙したかな?

俺は結局わからないと答えた

それを聞いたおっさんは見知らぬカードを裏返したんだ
そのカードの記号は△だった

 

そんで俺の面接は終わり

判定はB+だったそうだ

 

いやいやB+言われても基準がわからねえよな?

とにかく俺は普通の範囲内らしい

俺を紹介したその人気者はそれを聞いてガッカリしてた
そして俺は普通の生活にもどり
その人気者は俺に絡んでなくなった

 

んで後悔はこっからな

その謎の面接官の一人が俺の経歴みて言ったんだ

「判定B以上なら学業においてはもっと上を狙えたはずですが、この経歴には何か理由が?」

 

俺は正直に答えた
数学とかは本気でやったが
暗記科目は2割くらいわざと外すくせがあったとな

 

鼻で笑われると思ったね
他の人にこんなこと話したら信じないだろうし、お前らだってこの話信じてないだろ?

でもその面接官の答えは
「どおりで」
だった

 

でも俺はなんとなくわかっていた
面接官は俺にもう興味はないようだった

 

そんで俺は結局うだつのあがらない人生を続けてる

もしかしたらその精度の低い瞬間記憶能力をハッタリに使える人生を選択してたらこんなこともなかったかなってたまに思うんだよ

 

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