文部科学大臣は12日の定例会見で、大学入学共通テスト会場で検温を実施しないという方針について説明した。
専門家から伺った意見を踏まえた上での判断であると説明。
[専門家の意見]
・入試は他のイベントと異なり、会話などを行うものではなく感染のリスクは低い
・入試は不特定の者が集まるものではなくて、この日に向けて体調を整えてくる特定された受験生が集まるものである
・サーモグラフィーや非接触型体温計による検温は、外気温や検温器の精度によって正確性が左右されるものであるため、かえって受験生に無用の不安感や動揺を与える恐れがある
・検温のために行列や密状態を作るリスクを生じさせるよりも、スムーズに入場することが重要であるなどのことから、感染がかなり拡大する場合であっても、むしろ事前の健康管理を厳格に実施することが重要
受験生へ事前の体調管理の徹底、実施大学へ試験当日の体調不良者へのきめ細かな配慮について改めて依頼をしたという。
[依頼内容]
・基本的な感染対策に加え、自主検温等の健康観察を実施
・試験当日は試験時間開始前ごとに監督者による体調不良者の確認をする
・体調不良の申出がなくても、咳などの症状が他の受験生に影響があると判断された者の休養室への案内
・休養室では、医師などが検温の上、追試又は別室受験の判断
・昼食は指定された時間に自席で会話をせずに取ること
大学入試センターにおいても、自宅待機を要請されているなどの理由により診断書の提出ができない場合でも、追試験の受験申請を可能とした。
「検温をした方が良いのではないか」というネット上の意見に対しては、大勢の受験生が同時刻に集まり列をなすことが予想され、それを避けるために時差登校にした場合は、不公平が生じることとなる。専門家の意見を踏まえ、受験生の自己申告を信頼していきたいとしている。
受験生に対しては、以下のように説明した。
「自分で積み上げてきたものがありますから、当日、多少体調が悪くても無理をする可能性がある」
「こういう事態で試験をやるわけですから、ぜひ、慎重に大事をとっていただきたい」
「チャンスを複数回用意していますので、そこは現場に来てからでもですね、具合が悪いということであれば正直に申出をしていただきたい」
「監督官の方もですね、様々な、今、レクチャーを現場でもしていただいておりますので、症状に異変がある受験生に関しては別室へ移動してもらう、また、医師の診断を受けてもらう、続けてやれるのでしたら、例えばロスタイムをきちんと確保しながら別室で受験をする、あるいはこれはちょっとやめたほうがいいんじゃないかということであればもう一回やり直しで追試験を受けることが可能に、柔軟にしています」
「当初は診断書がなければ2次日程は認めないということになっていたんですけれど、それをやめました。自己申告であってもそれを認めるということにしました」
大学入学共通テストは第2日程、第3日程が用意され、第2日程に関しては、今までと違い全国47都道府県で受験ができる環境が整っている。
受験生には、健康管理をしっかり行い、万が一の場合には柔軟な対応をとってもらうよう求めている。
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