はまじ「それってどういうことですか?」
ブー太郎「山田とはもう会えないんですかブー」
小杉「特別ってことは山田はすげえのかな」
先生「皆さんお静かに」
先生「心配いりません。山田君はちゃんと今日も登校しています」
先生「ただこの教室で皆さんと一緒に授業を受けることは今後もうないでしょう」
まる子「『山田、特別学級に移る』の巻」
まる子「えー、そんな……」
先生「お気持ちはわかります」
先生「ですが、これは学校と保護者の方と同意の上で行われた処置です」
先生「皆さんも機会があったら山田君が移った」
先生「ひまわり組の教室を覗いてあげてください」
まる子(うーん、どうしようかね)
休み時間
まる子「ねえ、たまちゃん」
まる子「山田の様子見に行かない?」
たまえ「そうだね。どうしてるか気になるもんね」
まる子「ひまわり組の教室だったよね」
まる子「山田、元気にしてるといいけど」
たまえ「そうだね」
たまえ「とし子ちゃんも一緒に山田のところ行かない」
とし子「わ、私はいいや」
まる子「え。どうして?」
とし子「私、この前、ひまわり組の教室通ったら」
とし子「その組の生徒に絡まれたんだ……」
まる子「ああ」
とし子「だから怖くて行けない。ごめんね」
まる子「い、いいよ、気にしないでっ」
流れるように2本目に突入
お、二本立てやん
特別教室
まる子「ここだね。山田のいる教室」
たまえ「うん。すみませーん。失礼します」
まる子「おーい、山田ぁ。いる?」
彡(^)(^)「イーwwwwwwイーwwwwwww」
まる子「うわ。す、すみません。今日入ってきた3年生の山田って知りませんか?」
彡(゚)(゚)「ンゴwwwwwwwアアwwwwwwアアwwwwwwww」
たまえ「ま、まるちゃん、もう帰らない……?」
まる子「そ、そだね。何か怖くなってきたよ、あたしゃ」
山田「アデー?wwwザグラ”トホナミ”ジャナイカーwwwwwwwww」
たまえ「山田!」
まる子「よかったよ会えて。あんた特別学級に移ったんだってね」
山田「ソウダジョーwwwwwwwwww」
山田「オイラwwwwwwビックリシタジョwwwwwwwwwアハハハハwwwwww」
たまえ「どう、やっていけそう?」
山田「ソンナノワカランナイジョーwwwwww」
山田「デモネwwwwwwデモネwwwwwwwココ、スッゴクスゥゥッゴク、オモシロインダジョwwwwwww」
まる子「そうなの?」
山田「ホラ、ミデクレヨ゛wwwwwwwトランポリンガアルンダジョwwwwwwwww」
たまえ「本当だトランポリンやちょっとしたおもちゃもある」
山田「マエノキョウシツニハwwwwwwwwコンナノナッタゾwwwwww」
山田「ウレシイジョwwwwwwwwワーイワーイwwwwwwwwwww」
ポーン ポーン
山田「サクラタチモwwwwwイッショニwwwwwwソラヲトボウヨwwwwwホラァ”wwwwww」
まる子「い、いや、遠慮しておくよ」
キーンコーンカーンコーン
まる子「チャイムが鳴ったからそろそろあたしたちは教室に戻るよ」
たまえ「それじゃあね、山田」
山田「アデーwwwwwwwモウカエッチャウノカイ??wwwwwwwwwww」
まる子「うん。また今度ね」
山田「ヤクソクダジョwwwwwwゼッタイマタキテクレヨーwwwwwwwwwww」
山田「オイラモwwwwwwwwサクラタチノクラスニwwwwwwアソビニイクジョwwwwwwww」
まる子「うん、わかった。それじゃあね」
ガラガラガラ
たまえ「ねえ、まるちゃん。本当にまたここに来るの?」
まる子「行くわけないじゃん! あたしゃ寿命が縮まったよ」
まる子「山田には悪いけどもう二度とこんな所行かないよ」
たまえ「私もそうする」
キートン:そしてまる子たちクラスメートが山田のことを忘れ一週間が過ぎた
教室
授業中
先生「それでは次にこの問題を解いてみましょう」
ガラガラガラ
山田「……」
先生「や、山田君!?」
まる子「山田!」
はまじ「うげー、山田が来たぞ」
ブー太郎「今、授業中だぞブー」
小杉「山田はひまわり組移ったんだろ。もう来るなよ」
山田「ウウゥwwwwwwwウワアアアアアアアアアアwwwwwwwwァァァァwwwwww」
まる子「!?」
山田「ドウシテwwwwwダレモオイラニwwwwwwアイニキテクレナインダヨオォーwwwwww」
山田「アアアアアアアアアアアアアァァァ”””””」
山田「サクラダッテwwwwwマタアソビニクルッテwwwwwイッタノニィィwwwww」
山田「ウソツキダジョ!!!!!!!!wwwwwwwアガガガガwwwww」
まる子「そ、それは」
先生「山田君、とりあえず落ち着いてください……」
山田「ウ”ルザァァイ”!!!」
パリン
先生「あがぁっ」
たまえ「きゃああ、戸川先生がケガした!」
はまじ「先生に花瓶投げつけるなんて、なんてことするんだよ山田!」
先生「や、やま……ぁ」
先生「」
みぎわ「だ、だめ、先生。頭打って気絶してるわ……」
丸尾「ヒエー、ズバリ大惨事でしょう!!」
まる子「これは大変なことになったねぇ」
山田「ゴウナ”ッタラ”wwwwwwwwイマカラミンナトアソブジョーwwwwww」
山田「オイラトトクベツジュギョーダジョwwwwwwwアガガガガガwwwwwwガヘッ」
はまじ「山田がおかしいぞ! み、みんな逃げろー!」
一同「きゃああああああああ」
山田「マデーマデーwwwwwwwwwwハマザキグゥンwwwwwww」
はまじ「うわああああ! こっち来るなぁ!」
山田「ドウシテニゲルンダヨォォwwwwwwww」
山田「マエハイッパイwwwwwアソンデクレタダロォォ~wwwwwwww」
はまじ「うわああああ!」
はまじ「頼む来ないでくれぇー!」
はまじ「ああっ、行き止まりだ」
山田「アハハwwwwアハハwwwwwチャンバラゴッコダジョwwwww」
はまじ「や、やめろよ山田! 花瓶の破片なんか危ないだろ!」
山田「ハマザキクンヲwwwwwwウチトルジョォォwwwwww」
はまじ「ぎゃああああ、ごふっ」 ザシュ ピュルルル
山田「アハハハハハハハwwwwwwダノシイナァ”wwwwwwwww」
はまじ「うぐぐ、ごほぉっ」
山田「オイwwwwハマザキクンwwwwwモットアソボウヨwwwwww」
山田「ネエwwwwwネエ”ッダラ”wwwwwwww」
山田「ネェwwwwネェwwwwネェwwwwネェwwwww」
ザシュ ザシュ ザシュ ザシュ
はまじ「」
山田「オガシイナァwwwwwwウゴカナクナッチャゾ??wwwwwww」
山田「ソウカwwwwwwツカレチャッタノカwwwwwwwゴメンヨ、ハマザキクゥンwwwwww」
山田「ツギハベツノヒトトwwwwwアソブジョーwwwwwwンーッドネwwwwwアァーッ!!」
藤木「しまった、山田君と目があったぞっ」
山田「フジキクンwwwアソボアソボwwwwww」
藤木「うわああああ、助けてぇー!」
山田「マテーwwwwwマテーwwwwwwブーーーーーーーンwwwww」
藤木「うわあああああ! 誰か助けてくれよぉー!」
藤木「永沢くーん!」
永沢「うわああっ、藤木君。こっちに逃げて来るなよ!」
藤木「助けてくれよ、永沢君!」
藤木「僕を置いていかないでくれよ!」
永沢「来るなって! うわああぁぁ! いやだいやだーっ!」
山田「ワーイwwwwwwwサンニンデwwwwwwアソブジョーwwwwwwww」
なんなんこれ
ss文化を守ろう😇😇
永沢「このままだと追いつかれるぞぉ」
藤木「それだけはヤダよぉ」
山田「マテーwwwwwマテーーwwwwテマーwwwwwwテマーwwwwンガガガwwwww」
永沢「あっ、あそこに空き教室があるぞ!」
藤木「本当だ。あの教室に避難しよう!」
山田「ニガサナイジョーwwwwwwwwww」
藤木「間に合えー!」
ガラガラガラガラ ピシャ
永沢「お、おい、藤木君。待ってくれよ。まだ僕が入ってないんだぞ!」
永沢「扉を閉めないでくれよ! 開けてくれ!」 ドンドン
山田「アババババwwwwwwナガサワクンwwwwwwwアバババババババwwww」
永沢「う、うわああああああ!!」
山田をなんだと思ってんだよ草
山田「ナガサワクンwwwwwwwwwwwww」
山田「オイラトwwwwwヒアソビスルジョwwwwwwwww」
永沢「な、なんだって!?」
シュボ
永沢「ぎゃああっ、どこからそんなライターなんか!」
山田「ヒロッタンダジョwwwwwwwwアッタカイジョーwwwwwwww」
山田「スグニナガサワクンモwwwアッタカクシテアゲルジョwwwwwwwwホラ”ホラ”wwwwww」
永沢「や、やめてくれ。火だけは火だけはっ」
ボワッ ゴォォォ
永沢「あああああああああああぁぁっ火がああああっ」
山田「ウオーwwwwwナガサワクンガモエテルジョwwwwwwwwww」
山田「フユハタキビニカギルネェwwwwwwwwwアッタカアッタカwwwww」
永沢「火があああああっ、あついいいいぃひいいいいぃぃ」
ゴオオオ
永沢「ひいいいいぃ、あづうう、ぎゃああああぁぁ」
ゴロンゴロン
山田「アデ??wwwwwナガサワクンwwwwww」
山田「ドッカイッチャッタジョwwwwwwww」
山田「オーイwwwwwドコダーイwwwwwwww」
山田「デテキテクレヨーwwwwwwwwツマンナイジョーwwwwwwww」
山田「マッwwwwwwwwイッガwwwwwwwアハハハwwwwwww」
キートン:後半へ続く
まる子「たまちゃん、とんでもないことになっちゃったね」
たまえ「う、うん! 怖いよ」
まる子「あたしがいけないのかも」
まる子「あたしがもっと山田のこと気にかけてあげてれば」
まる子「こんなことには」
たまえ「自分を責めちゃだめだよ、まるちゃん」
たまえ「それにそれが理由だったらまるちゃんだけじゃなくて」
たまえ「私やクラスの皆もいけないことになるよ」
まる子「たまちゃん……」
たまえ「とにかく今は逃げよう」
山田「ザクラ” ホナ”ミ” ヤァァッドwwwwwミツケタジョwwwwwwガハハハwwwwww」
まる子「ヒエエー!」
山田「ヤクソクダジョwwwwwwwオイラトタップリアソブジョwwwwwサクラwwwwwww」
まる子「ぎゃああああっ」
たまえ「待ちなさい、山田!」
山田「ンア??」
たまえ「遊ぶならまるちゃんとじゃなくて私とじゃだめ?」
山田「ホナミトカーwwwwwwwwwモチロンwwwwwwイイジョwwwwwww」
たまえ「まるちゃん、今のうちに早く逃げて」
まる子「で、でも、たまちゃんが……」
たまえ「私なら大丈夫だから、ほら早く!」
まる子「たまちゃん……うぅ」
山田「アソホwww゙アソホwww゙アソボwwwwwwンゴwwwwww」
まる子「ごめん、たまちゃん」ダッ
山田「チャンバラゴッコノwwwwwwwツヅキヲヅルジョwwwwww」
シュパ
たまえ「きゃああっ! いたいっ」
まる子「たまちゃん!」
まる子「だめだ、やっぱりたまちゃんを置いてなんか行けないよ」
まる子「山田ぁ!」
山田「オヤwwwwwwwサクラモイッショニwwwwwwwアソビタクナッチャノカイ”??wwwww」
山田「ダイwwカンwwwゲイwwダヨwwwww」
たまえ「まるちゃん……」
まる子「もういいよ。こうなったら二人で覚悟を決めよう」
山田「ソリャーwwwwwウチクビダァァーwwwwwww」
まる子「さよなら、たまちゃん!」
たまえ「さよなら、まるちゃん!」
ガシッ
山田「ンアッ?」
野口「……」
まる子「野口さん!?」
たまえ「野口さん、山田の腕なんかつかんでちゃ危ないよ!」
まる子「そ、そうだよ! 早く逃げなきゃ八つ裂きにされちゃうって!」
山田「ノグチモwwwwwwオイラトwwwwアソンデクレルノカイ?wwwww」
山田「ウレジイ”ナァ”wwwwwwwwwww」
野口「やまだぁー」
山田「アハハハハハwwwwwガハハハハwwwwwwアババババ」
野口「おだまり」
ドスッ
山田「ババ、アガッ……!!」
バタッ
山田「」
野口「安着確認、クックックッ」
まる子「ちょっと、ちょっと、大丈夫?」
野口「心配いらないよ」
野口「少し当身を食らわせただけだからネ」
まる子「野口さんの心配してるんだよ」
たまえ「そうだよ。ケガとかなかった?」
野口「別に」
まる子「なら、よかった」
野口「私より深刻な事態の人が他に結構いるけどね」
野口「クックック」
まる子「そ、そうだ。早くこのこと知らせないとー!」
数分後
教室
ザワザワ
まる子「クラスのみんな、大体戻ってきたみたいだね」
たまえ「うん、みんな一目散に逃げ出したもんね」
先生「……」
丸尾「先生もまだ気絶したままでしょう」
丸尾「みぎわさんが他の先生に連絡して救急車を呼びに行ってくれていると」
丸尾「思いますので、もうしばらく辛抱してください、先生」
ブー太郎「大変だブー」
ブー太郎「はまじがまだ戻って来ないブー!」
藤木「永沢君もいないよぉ!」
丸尾「何ですって!?」
まる子「心配だねぇ」
たまえ「うん。何事もなくまだどこかに隠れてるだけならいいけど」
関口「しかし、本当に怖かったな」
関口「俺さ、大急ぎで別の階に逃げたぜ。山根はどうした?」
山根「僕は案の定胃腸が痛くなったから必死にトイレに駆け込んだよ」
山根「今回ばかりは弱い胃腸が幸いしたよ」
小杉「俺は給食センターに避難したぜ」
キートン:わざわざ報告しなくても皆知っている
みぎわ「お待たせ。臨時の先生連れてきたわ」
丸尾「おお。お待ちしておりました」
他クラスの先生「何てことだ。戸川先生、しっかりしてください」
先生「……」
他先生「救急隊員の方が来てくれましたよ。それではお願いします」
隊員「はい。搬送するぞ」
他先生「君ら生徒たちはしばらくこの教室で待機してるんだよ」
ブー太郎「先生、はまじと永沢がまだ見つかっていませんブー」
みぎわ「その二人ならもう見つかって病院に搬送されていったわ」
まる子「えぇ!?」
丸尾「それは本当ですか!? みぎわさん」
ブー太郎「それではまじはどうなったんだブー!?」
藤木「永沢君は無事なのかい!?」
みぎわ「永沢君は身体に大やけどを負ったみたいだけど」
みぎわ「救急隊員の人の話によれば命に別状はないみたいよ」
藤木「ふぅ、よかった……」
みぎわ「ただ、浜崎君は……ぐすっ」
まる子「はまじはどうしたのさ、みぎわさん!」
みぎわ「身体中めった刺しにされててもう息はないって……ううぅ」
まる子「そ、そんなぁ! はまじが……はまじが」
関口「嘘だろ、はまじが死んだなんて俺はぜってえに信じないぞ!」
関口「信じないからな……うわああん」
ブー太郎「ブヒョー、はまじぃぃブヒー!!」
丸尾「ズバリ、ショッキングでしょう! うぅぅ」
たまえ「あのはまじが……ま、まるちゃん」
まる子「……うわあああん、はまじぃぃ!」
クラス一同「うわああああん」
キートン:これだけクラスメートの涙を誘うはまじも中々のものである
>>142
キートン鬼畜やん
藤木「みんなもうよそうよ!」
まる子「藤木?」
藤木「浜崎君のことはとても残念だったけど」
藤木「だからといっていつまでも僕たちが悲しんでいたら」
藤木「それこそ亡くなった浜崎君に申し訳がないよ」
藤木「ここは泣いてないで、無事助かった永沢君と先生の一刻も早い回復を」
藤木「願うべきなんじゃないかな……」
大野「そうだな、藤木の言うとおりだ。今悲しんでても何にもならねえ」
杉山「まずは助かった奴らの回復を先に考えてやることかもしれねえな」
とし子「そうだね。それが何よりもはまじへの供養になるかもしれないしね」
山根「藤木君、君は普段大人しいのにここぞのときは意外としっかりしたこと言うなあ」
小杉「そうだね。俺も正直君のこと見直したよ、藤木君」
まる子「ありがとう藤木。少しだけ心が救われたよ」
藤木「よしてくれよ、僕はただケガをした永沢君たちが心配で」
笹山「藤木君って頼りになるわね」
城ヶ崎「本当。こういう状況であんなこと簡単に言えないわ」
藤木(えへへ。何が幸いするかわからないもんだなぁー)
長山「おい、みんな。大事なこと忘れてないか」
まる子「え?」
長山「あれからずっと山田君を放っておいているじゃないか」
まる子「あー、そうだった!」
たまえ「まさか、また起き上がってどこかで暴れまわってるんじゃ」
野口「心配いらないよ」
まる子「野口さん!」
野口「今さっき、先生たちが一緒に呼んだ警察に引き渡してきたよ」
山根「何だって。野口がかい?」
野口「そうだよ」
まる子「まさか警察が到着するまでずっと気絶した山田に張り付いてたの?」
野口「まあね。結局、到着するまで起きなかったけどね、クックックッ」
前田「あの、先生。これから山田はどうなるんですか?」
他先生「そうだなぁ」
他先生「今だと何とも言えないが」
他先生「君たちの言うとおり、あの三人に危害を加えたのなら」
他先生「どこかの施設に送られるか、少年院に入るかとか」
まる子「少年院……。想像付かないね」
たまえ「うん。何か怖いね」
花輪「山田君は人を一人殺めてしまったからね」
花輪「少なくとも今までと同じ生活はそうそう訪れないと考えざるをえないよ、ベイビー」
たまえ「でも、山田ってひまわり組に入ってたよね。そこのところどうなんだろう」
ブー太郎「ふんっ、はまじを殺した奴に同情なんかするもんかブー」
関口「そうだ。あんなキチガイ、特別学級といわずどこかに転校すればよかったんだ」
さくら家
まる子「今日は本当に大惨事だったよ」
すみれ「浜崎さんのご家族も哀しいってものじゃないわね」
さきこ「山田のお家の人も複雑でしょうね」
まる子「うん」
友蔵「とにかくまる子に何もなくて本当によかったよ」
まる子「結構危なかったんだけどね。たまちゃんもちょっとケガしてさ」
すみれ「まあ」
ヒロシ「だーかーら、もっと早めにあの山田とかいう生徒を隔離しておくべきだったんだァ」
ヒロシ「前々から他の子供と様子が違って思ってたんだ」
友蔵「そうじゃのう。あの子はいつも様子がおかしいからのう」
キートン:それはあんたも同じである
ヒロシ「まる子も今度からああいう系統の子供とは」
ヒロシ「金輪際関わるんじゃねえぞ」
まる子「う、うん」
こたけ「ヒロシ、何もそんな差別するような言い方はしなくてもいいんじゃないのかい」
すみれ「そうよ。そういうお子さんには色々な事情があるんだから」
ヒロシ「何だお前ら、山田の肩持つのか?」
ヒロシ「いいか。一歩間違えばはまじの代わりにまる子が殺されてたかもしれねえんだぞ」
ヒロシ「人間な、いつまでもそんな甘い考えで生きてたら」
ヒロシ「命がいくつあっても足りねえってんだ」
グビ
ヒロシ「母さん。もう一本酒だ」
さきこ「まあね。お父さんのいうとおりそこらへん割り切んなきゃいけないのかもね」
すみれ「それにしたってねぇ」
友蔵「山田君みたいな可哀そうな子たちには犬のようにヒモで繋いであげるようにしたらどうじゃろう」
まる子「そ、そうだね」
キートン:あんたが一番可哀そうだよ、と思うまる子たちであった
長いな
キートン:そして、あの惨劇から数か月が経った
キートン:軽傷だった戸川先生も無事復帰し
キートン:まる子のクラスの誰しもがあの出来事を忘れようと必死に学校生活を送っていた
キートン:そんなある日
学校
たまえ「ねえ、まるちゃん。聞いた?」
まる子「何を?」
たまえ「山田が少年院に送られたっていう噂」
まる子「そうなの!?」
たまえ「私も詳しくはわからないけど」
まる子「何か複雑だね」
たまえ「うん。どうすればいいかわからないよね」
関口「ふんだっ。山田なんてな、そのまま死刑になっちまえばいいんだよ」
まる子「ちょっと、関口。何もそんな言い方はひどいんじゃないの?」
関口「ひどいもんか! 山田ははまじを殺したんだぞ。山田のがずっとひどいだろ」
まる子「そ、そりゃそうだけど。山田だってずっと前までは同じクラスメートだったんだし」
まる子「あの時だって、ただ私たちと遊びたかっただけで悪気があった訳じゃないかもしれないじゃん」
丸尾「ではさくらさん、あなたはそんな理由で命を落とした浜崎君の身になることができるのですか?」
まる子「うぅ」
丸尾「そもそも、あなたも特別学級に行った山田君を邪険にしてたはずです」
まる子「そ、それは」
丸尾「ズバリ、今さら偽善者ぶるのはやめるべきでしょう!」
たまえ「もう、よそうよ。またあの事件を蒸し返して言い争いするのは。約束でしょ」
関口「お、おう」
ガラガラガラ
永沢「……みんな、おはよう」
関口「永沢、退院したのか」
永沢「ああ、何とかね」
永沢「とはいえ、範囲がそれなり広かったもんだから」
永沢「僕のやけどの傷跡は完治することはないって」
永沢「担当の医師に言われたんだけどね、アハハ……」
まる子「な、永沢……」
山根「元気を出せよ、永沢君。確かにやけどを負ったのは不幸なことだけど」
山根「そこはあえて命が助かっただけでみっけものだと喜ぶべきだよ」
小杉「山根君の言うとおりだよ。浜崎君と比べれば君のケガなんてさ」
永沢「病院で聞いたよ。僕も残念だよ、浜崎君ともう会えないなんてな」
藤木「まったくさ。でも、永沢君が無事に退院できて本当によかったよ」
永沢「藤木君、君はよくもぬけぬけとそんなこと言えるな」
藤木「ええっ。一体どうしたんだい、永沢君」
永沢「まだしらばくれる気かい?」
永沢「あの日、僕と君とで山田君から逃げていた時、君は自分だけ」
永沢「空き教室に避難しただろ。そばで逃げてる僕を置き去りにして!」
藤木「えぇ! あ、あれは」
永沢「しかも何度も扉を叩いて入れてくれと頼んだのに君は助けてくれなった」
永沢「おかげで僕は一生消えない傷を心と体に負ったんだぞ!」
藤木「ち、ちがっ。あのとき僕は必死だったし、てっきり永沢君は違う場所に逃げたって思ったから」
関口「なんだよその話」
ブー太郎「聞いてないぞ、藤木!」
丸尾「つまり藤木君は自分だけ助かりたいがために友達を見捨てたということですね」
永沢「簡単に言えばそうなるね。まったく筋金入りの卑怯者だね、君は」
永沢「今回ばかり僕も怒りを通り越して感服したよ」
藤木「ま、待ってくれよ。永沢君、僕はぁ」
小杉「この期に及んで言い訳なんて本当に卑怯だな」
山根「藤木君。君の卑怯は一体いつ治るんだよ!!」
丸尾「ズバリ、藤木君の卑怯もやけどと同じで完治しないでしょう」
関口「あーあ、はまじじゃなくて藤木が死ねばよかったのによお」
ブー太郎「ブーブーブー」
笹山「最低だわ」
藤木(うわあああああああ!! みんなぁ、誤解なんだよおぉー!)
先生「皆さん、どうしました」
先生「授業を始めますので席についてください」
クラス一同「はーい」
先生「おっ。今日は永沢君もいますね」
先生「やはり、クラス全員そろうとみんな気分がいいですね」
藤木「……」
キートン:気分が悪いのが約一名いる
先生「それでは早速、教科書の三十頁を開いてください」
まる子(やっぱり、みんなあの事件忘れられないんだろうなぁ)
まる子(そりゃそうだよね……)
他先生「戸川先生、授業中すみません」
先生「おや。どうしました?」
他先生「ちょっといいですか」
先生「はい。皆さん、すぐ戻りますのでそのまま大人しくしていてください」
たまえ「戸川先生どうしたんだろうね?」
まる子「廊下に出て行っちゃったね。何の話だろう」
ザワザワザワ
丸尾「皆さん、お静かに!」
丸尾「先生に言われたとおり大人しくしていてください」
まる子(本当になんだろうね?)
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